野口悠紀雄Online --> われわれはかつて、組織におけるハイアラーキーが力の源泉であると信じていた。しかし、日本の大組織のほとんどが機能不全に陥っていることを、われわれは知った。 われわれはまた、富は力をもたらすと考えたこともあった。しかし、バブル崩壊の過程で、巨額の投資が紙くずになることを、われわれは目のあたりにした。 確実な力を産むとわれわれが最終的に期待したのは、知識ではなかったろうか。しかし、ネットワークを活用すれば、知識など簡単に集められることがわかった。 いま、ネットワークこそが、われわれの前に無限の可能性を開こうとしている。 1997.6 野口悠紀雄 |