「超」整理手帳コーナー


「超」整理手帳とは、ITとの親和性を考えて作られた手帳である。ネットの時代に“紙”を組み合わせるという一見逆行とも思えるところに,この手帳の特徴がある。

他の手帳を使っているが、どうもタイムスケジューリングや情報マネジメントがうまくいかない、という方は、この手帳にトライしてみてはいかがだろう。単に紙に予定を記載するだけでなく、ネットやPCにまでつながる非常に拡張性の高い手帳である。その特徴を詳しく見てみよう。
「超」整理手帳のノグラボストア

「超」整理手帳が初登場したのは1996年(※1)。A4横四つ折という斬新なカタチと、8週間が一覧できるジャバラ式のスケジュールシート(予定表)が4本差し込まれているという、かなりインパクトのあるものだった。だから、いまでも「超」整理手帳といえば、ジャバラ式の「変わった」手帳と思っている人も少なくない。

だが、「超」整理手帳は、実は非常にシンプルな手帳だ。難しいルールや独特の教義のようなものは何もない。では、「超」整理手帳のメリットはどこにあるのか? まず、「超」整理手帳を大解剖してみよう。

まずはジャバラのシート。8週間が一覧可能になっている理由は、「時間管理のためには、長期的なスケジュールが一覧できなくてはならない」、という野口教授の主張にもとづく。あとの方にくる重要な予定をにらみながら、現在の仕事を進めておかないと、重要な用件の締め切り間際になって突然死にそうに忙しくなる。

ウィークリーやマンスリーなど、他の手帳ではどうもスケジューリングがうまくいかないと不満を感じている人は、一度この手帳を試してみてほしい。

「超」整理手帳を知らない人に見せると、「中途半端に大きい」とか、「もっと小さければ使うのに」という。でもその見方は間違っている。なぜなら、このサイズこそが「超」整理手帳の本質だからだ。

「超」整理手帳は、A4用紙を横にして四つ折りにすると、何の加工もせずに挟み込むことができる。だから、オフィスの書類を持ち歩くのも、自作リフィルやメモ用紙を作るのも、他の手帳と比べると、圧倒的に簡単だ。

また、「超」整理手帳ユーザーにはPCユーザーが多い。PCからプリントした紙をそのまま挟み込めば、それが自作のリフィルになる。だから、「超」整理手帳ユーザーの間では自作リフィルづくりが熱心に行われている。

そして、A4対応という特徴は、ますます重要性を増している(※2)。現在では、ほとんどのオフィスでA4が標準となった。いまやA4対応は文具や小物の最低条件だ。女性用のビジネスバッグもA4対応が条件になる時代である。

「超」整理手帳のもう一つの特徴は、「差し込み式」にある。これは最近のハヤリ言葉でいえば「モジュール化(※3)」である。

モジュールとは、全体を構成する基本的な単位(=ユニット)のこと。標準化された設計のうえに、製品がいくつかの単位に分けられている場合、この製品のことを「製品のモジュール化」とよぶ。モジュール単位での変化に柔軟性を持たせることで、製品の多様化と高度化が可能になるのだ。

IBMは、パーソナル・コンピュータを短期間で開発するために、既製品を組み合わせ、PC互換機を開発した。CD-ROMドライブやCPUといった各部品がモジュール化されているため、モジュールの組み合わせを変更するだけで、個別の要求に対応できる。これは「設計のモジュール化」の典型例である。

「超」整理手帳でいえば、手帳に差し込むリフィルは「超」整理手帳というシステムの「モジュール」だ。「週間スケジュールシート」はいわば基本的なモジュールの一つだ。そして、A4というサイズさえ合っていれば(もちろんA5でもよい)、あらゆる書類が「超」整理手帳のモジュールになりうるのである。

 

(※1)
当時ベストセラーとなった野口悠紀雄教授の『「超」整理法』(中公新書)を読んだ月刊誌『ASCII』編集長の遠藤 諭氏が、野口教授に手帳の開発を持ちかけたのが始まりだ。遠藤氏が研究室を訪ねると、野口教授はすでに自作のサンプルを手にしていたという。最初からこの手帳がDo It Yourselfの精神に満ちていたことを示すエピソードである。


  「超」整理法3
タイム・マネジメント(中公文庫)
 

中公新書「超」整理法・時間編に大幅改訂を施した文庫版です。野口悠紀雄が提唱するタイム・マネジメントの原点と本質が余すところなく論じられています。「超」整理手帳をお買い求めの際に、ぜひチェックしてください。



※2

ところで、A4横四つ折というサイズは、「超」整理手帳だけでない。フランスの国民的メモ帳、RHODIA(オレンジ色の表紙が特徴)のNo.08は、「超」整理手帳と全く同じサイズのメモブロックである。日本の輸入元であるクオバディス・ジャパンに尋ねてみたところ、フランスではこのサイズはショッピングリスト用のメモ帳になってるらしい。「超」整理手帳ユーザーのなかには、メモ帳としてどかっと買っていく人もいるらしい。デザインもよいので、要チェックだ(※「超」整理手帳のカバーには差し込めません。)。


※3
モジュールの例としては、例えば、貨物列車に載っているコンテナを指摘できる。このコンテナは「貨物輸送システムにおけるモジュール」だ。コンテナが発明される以前、鉄道から船に荷物を積み替える際には、積み込み人が熟練技術で荷物を移し替えていた。しかし、コンテナが発明されてから、すべての輸送システムは、個別の「荷物」ではなく、「コンテナ」という単一のサイズの物体を運ぶために再設計される。一つ一つのコンテナには、不要な空間=冗長性が避けられないが、その一方で、鉄道から船、そしてトラックといったリレー輸送が行われる中、全体としての効率性は大幅に上昇した。